眠狂四郎無頼控(五)

https://www.shinchosha.co.jp/book/115010/

隻腕忍者の妄怨、邪宗尼の媚態、妻美保代の最期。狂四郎の贋者を斃せ。死に場を冀求し、ただ彷徨うのみ。
贋狂四郎に扮し、あらゆる奸策を弄して狂四郎に挑戦する甲賀忍組第三番を筆頭に、次々と出現する忍者たち。公儀隠密中随一の使い手白鳥主膳を交えた三つ巴の戦いが展開する。土方縫殿助と、その幕下の数十名に囲まれて疾風の剣技をみせる狂四郎……。こうした死闘が連続する中にあって、狂四郎を命がけで慕い続けてきた可憐な女性・美保代が静かに息を引き取った。

破戒

https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b249055.html

新しい思想を持ち,新しい人間主義の教育によって,不合理な社会を変えて行こうとする被差別部落出身の小学校教師瀬川丑松は,ついに父の戒めを破って公衆の前で自らの出自を告白する.周囲の因習と戦う丑松の烈しい苦悩を通して,藤村(1872-1943)は,四民平等は名目だけの明治文明に鋭く迫る.1906年刊.(解説=野間宏